【マンジャロとトルリシティの比較表】
マンジャロ | トルリシティ | |
効果 | 体重減少・食欲抑制・代謝改善 | 食欲抑制・満腹感の持続・脂肪燃焼 |
減量の効果 | 高 | 低 |
副作用 | 吐き気や嘔吐・下痢・便秘・腹痛などが多く報告されている | 他の薬剤に比べて消化器症状の副作用が少ない傾向にある |
望ましいヶース | 減少目的の場合 血糖値を今よりも良くしたい場合 | 消化器症状の副作用が心配な場合 肥満がなく減量をしたくない場合 |
マンジャロとトルリシティの違いについて解説します。
同じ糖尿病治療薬だけど違いは何?
どちらが自分に合っているのか知りたい!
『マンジャロ』と『トルリシティ』は、どちらも糖尿病治療として使用される薬です。
糖尿病治療薬という部分は同じですが、それぞれの特徴には違いがあります。
そこで、マンジャロとトルリシティの違いについて詳しく解説していきます。
糖尿病で悩んでいる方は、どちらが自分に合っている薬なのか知るきっかけになると思います。
トルリシティからマンジャロに切り替える理由や使い方も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
マンジャロとトルリシティの違い
まず、マンジャロとトルリシティの違いについて解説していきます。
体質や体型・糖尿病の種類などによって使用すべき薬は異なります。
糖尿病の改善を高めるためにも薬選びは重要なので、ぜひ参考にしてみてください。
マンジャロの特徴
マンジャロとは、2型糖尿病治療薬として使用される注射薬。
有効成分はチルゼパチドで、GLP-1受容体とGIP受容体に作用します。
チルゼぺパチドには、以下のような特徴があります。
- 血糖値が上昇した時に血糖値を下げる
- 食欲を抑える
- 胃の動きを抑えて食べすぎを防止する
- 脂肪細胞であるGIP受容体に作用し脂質などの代謝を促進させる
マンジャロは食後の血糖値の上昇を抑えて血糖値を安定させます。
また、食欲を抑えたり食べ過ぎを防止してくれるため、体重の減少効果も期待できます。
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トルリシティの特徴
トルリシティとは、2型糖尿病治療薬として使用され、GLP-1受容体のみに作用します。
トルリシティには以下のような特徴があります。
- 食事の時にインスリン分泌を促し血糖値を下げる
- 単独使用の場合、他の糖尿病治療薬に比べて低血糖を起こしにくい
- 食欲を抑えて体重の減少をサポート
- シニア世代・肥満ではない糖尿病患者にも使用しやすい
トルリシティは、食事の時にインスリン分泌を促し血糖コントロールします。
また、血糖値が上昇している時だけインスリンを増やすため、低血糖を起こしにくいのもポイント。
その分、体重の減少効果も緩やかなので肥満体型でない人でも使用しやすい薬です。
高い減量効果を期待するならマンジャロがおすすめ
マンジャロとトルリシティでは、マンジャロの方が血糖値を下げる効果や体重減少効果が高いと言われています。
そのため、血糖値を大きく下げたい人・体重を大きく減少させたい人はマンジャロがおすすめです。
効果が強い分、副作用も出やすい傾向があるので注意が必要です。
マンジャロとトルリシティの比較表
マンジャロとトルリシティの特徴について、比較しやすいように表にまとめてみました。
マンジャロ | トルリシティ | |
投与方法 | 皮下注射 | 皮下注射 |
効果 | 体重減少・食欲抑制・代謝改善 | 食欲抑制・満腹感の持続・脂肪燃焼 |
使用頻度 | 週1回 | 週1回 |
減量の効果 | 高 | 低 |
副作用 | 吐き気や嘔吐・下痢・便秘・腹痛などが多く報告されている | 他の薬剤に比べて消化器症状の副作用が少ない傾向にある |
望ましいヶース | 減少目的の場合 血糖値を今よりも良くしたい場合 | 消化器症状の副作用が心配な場合 肥満がなく減量をしたくない場合 |
上記の表を見てもらうと分かると思いますすが、どちらも皮下注射になります。
効果としては似たような感じで、主に食欲を抑制し体重の減少に効果が期待できます。
減量効果はマンジャロの方が高く副作用も強く出る可能性があるため、副作用が心配な方や肥満体型ではない方にはトルリシティの方が合っているかもしれません。
トルリシティからマンジャロに切り替える理由は?
トルリシティからマンジャロに切り替える理由について、いくつか紹介していきます。
自分に合っている薬を服用していても、日が経つにつれてあまり合わなくなってきたということもあるかもしれません。
そんな時、何を基準に切り替えたら良いのか判断するきっかけにもなると思うので、ぜひチェックしてみてください。
現在よりも減量をしたい場合
トルリシティよりもマンジャロの方が減量効果が高くなります。
最初はトルリシティを服用していたが、もっと効果を感じたいという方はマンジャロに切り替えてみても良いかもしれません。
減りすぎてしまう可能性もあるため、肥満体型でない方にはあまりおすすめできません。
血糖改善を図りたい場合
トルリシティは「GLP-1」のみの作用に対し、マンジャロは「GLP-1」と「GIP」の2つに作用。
そのため、マンジャロの方がよりインスリン分泌を助け血糖値を下げてくれます。
血糖コントロールをしっかりしたい方やもっと血糖値の改善をしたい場合にマンジャロに切り替えるのがおすすめです。
切り替えを望む場合は医師に相談を
人によって薬の効果や副作用は異なります。
マンジャロはトルリシティよりも血糖値を下げたり体重減少効果が高い分、副作用も出やすく体に影響を与える可能性があります。
また、中には腎臓などの状態によっては注意しなければいけない場合も。
そのため自己判断で決めるのは危険なので、切り替えても問題ないか医師にしっかり相談をする必要があります。
マンジャロ・トルリシティの使い方
マンジャロ・トルリシティの使い方について解説していきます。
糖尿病治療薬は、使い方を誤ると低血糖・副作用などを起こしてしまう恐れがあります。
そのため、使い方を知っておくことも重要になります。
正しい使い方で使用することにより改善にも繋がるため、ぜひチェックしてみてください。
毎週同じ曜日に投与
マンジャロもトルリシティも1週間効果が持続する薬です。
そのため、週に1回毎週同じ曜日に投薬しましょう。
毎週同じ曜日で投薬することで、安定した効果を得ることができます。
このリズムが崩れると血糖コントロールも乱れてしまい、副作用のリスクも高まるため要注意。
1回使い切りのため針交換や投与量の調節不要
1回使い切りで針交換や投与量の調節不要なので、準備がラクで初心者の方でも扱いやすいです。
1回につき決まった量が入っており、投与の際に誤ることがありません。
また、その都度新品のもので投与するので感染症のリスクも少なく清潔のまま使用できるのもポイントです。
保管は凍結を避けて2~8°Cで遮光保存
マンジャロやトルリシティは、凍結を避けて2~8℃の遮光保存が適しています。
その理由は以下の通りです。
- 有効成分の劣化を防ぐため
- 凍結すると薬液が変化・注射器の故障に繋がるため
- 直射日光が当たると薬の成分が分解し効果が弱まってしまうため
上記のような理由から、保存方法も守ることが大切です。
冷蔵庫での保管が一番最適であり、遮光もできるのでおすすめ。
もし冷蔵庫での保存が難しければ、30℃以下の室温で遮光して保管しましょう。
30℃以下での室温保存の場合、マンジャロは21日以内・トルリシティは14日以内に使用してください。
マンジャロ・トルリシティの投薬に失敗したときの対処法
マンジャロ・トルリシティの投薬に失敗した時の対処法について解説していきます。
自分で投薬しなくてはならないため、特に最初の慣れないうちは失敗してしまうかもしれません。
そんな時でも慌てることなく冷静に行動できるようにするためにも、ぜひ対処法を知っておいてください。
打ち忘れたときはスケジュールを確認
1週間に1度のことなので、打ち忘れるということがあるかもしれません。
打ち忘れた時は、まずは次回の投与する日を確認してください。
その日によって対処法が異なるので、それぞれ説明していきます。
次回投薬まで72時間(3日間)ある場合
次回の投薬まで72時間(3日間)以上ある場合は、気付いた時点ですぐに投与しましょう。
1週間は持続する薬なので、3日以内の打ち忘れであればスケジュールが大きく乱れることはありません。
その後はいつも通りあらかじめ定めていた曜日に投与します。
次回投薬まで72時間(3日間)未満の場合
次回の投薬まで72時間(3日間)未満の場合は、打ち忘れていた分はスキップして次回の定めていた曜日にいつも通り投与しましょう。
打ち忘れたことに慌てて間隔を空けずに2回分続けて打ってしまうと体に影響を及ぼす危険があるため避けてください。
投与することを習慣づけるためにも、スケジュールに入れたりアラームを設定したりするのがおすすめです。
途中で薬剤が漏れた場合は追加投与は控える
途中で薬剤が漏れた場合は、必要な分の成分が入らずに効果が薄れてしまう可能性があります。
漏れてしまった場合でも追加で投与するのは避け、次回の投与日にいつも通り投与しましょう。
次回から正しく投与できるよう、漏れた原因や使い方を再度確認しておくのがおすすめです。
マンジャロの危険性や副作用について
投薬前には、あらかじめ危険性や副作用について知っておくことがおすすめです。
そこで、マンジャロの危険性や副作用について解説していきます。
もしかしたら自分の体には合わずに症状や副作用が出てしまう場合も。
その際にどのように対処したら良いか判断しやすくするためにも、ぜひ参考にしてみてください。
低血糖症状が出る可能性がある
マンジャロは血糖値を下げる作用があるため、低血糖を引き起こしてしまう可能性があります。
特に、インスリン・SU剤・グリニドなどの低血糖を引き起こしやすい薬と併用していると低血糖を起こしやすいです。
ふらつき・動悸・めまい・頭痛・冷や汗などの低血糖の症状が現れた際には、すぐにブドウ糖や砂糖などを摂取し安静にしましょう。
過度な負担により急性膵炎が起こる場合もある
マンジャロは膵臓に働きかけてインスリンの分泌を促します。
そうすることで、まれに膵臓に過度な負担をかけてしまい急性膵炎を起こす場合もあります。
急性膵炎の主な症状として、持続的な激しい腹痛・背部痛などが挙げられます。
症状がある場合は使用中止して医療機関に相談する
急性膵炎は放っておくとどんどん悪化してしまう可能性があります。
副作用の症状は本当に薬によるものなのか正確な診断を行うことで今後の対処法も明確にすることができます。
そのため、副作用の症状が現れた場合は使用を中止し医療機関に相談しましょう。
マンジャロトルリシティ違いのよくある質問・Q&A
- マンジャロとオゼンピックの違いは何ですか?
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マンジャロとオゼンピックはどちらも体重減少効果がありますが、マンジャロの方が高い効果が期待できます。
また、マンジャロは「チルゼパチド」・オゼンピックは「セマグルチド」という有効成分でできています。
オゼンピックはGLP-1受容体に作用しますが、マンジャロはGLP-1受容体・GIP受容体のどちらにも作用することも違いの1つとして挙げられます。
- マンジャロはやめたらどうなりますか?
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マンジャロの投与をやめると薬の効果がなくなり、血糖コレステロールが悪化する可能性があります。
また、食欲が戻り体重の増加にも繋がってしまいます。
そのようなリバウンドを防ぐためにもやめたい時は医師にしっかり相談し、やめる時期や他のダイエット方法を行うなど対策が必要となるでしょう。
- マンジャロとトルリシティが保険適応される条件は何ですか?
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マンジャロとトルリシティは、医師の診察で2型糖尿病と診断された場合に保険適用となります。
ダイエット目的や肥満症では自由診療となり全額負担となります。
まとめ
本記事では、2型糖尿病治療薬であるマンジャロとトルリシティについて解説しました。
マンジャロとトルリシティはよく似ていますが、より高い体重減少効果を感じたい人はマンジャロの投与がおすすめです。
副作用が心配な人や肥満体型ではない人はトルリシティの投与がおすすめでしょう。
本記事を参考に、自分の体質や体型に合った薬を見つけてより健康で元気な将来を目指しましょう。
この記事を監修した医師
ライズクリニック錦糸町 治療責任者 佐貫 榮一