ED治療薬の効果を比較し、副作用や用量についても解説します。
ED治療薬って何種類かあるけど何が違うんだろう?
国内で認可されているED治療薬は「バイアグラ(シルデナフィル)」、「レビトラ(バルデナフィル)」、「シアリス(タダラフィル)」の3種類です。
これらの医薬品は「処方箋医薬品」という分類で、医師の処方を受けないと服用することができません。
なぜなら、これらの薬にはそれぞれ副作用もあり、併用禁忌・併用注意な薬もあるからです。
しかし、この副作用や効果は一括りにED治療薬といっても、種類によって異なるため、本記事では種類ごとの詳細を解説していきます。
結論
ED治療薬には、「バイアグラ(シルデナフィル)」、「レビトラ(バルデナフィル)」、「シアリス(タダラフィル)」の3種類があります。
一口にED治療薬といっても、それぞれにメリットデメリットがあり、困っている症状によって処方も異なる医薬品です。
- バイアグラ
- ジェネリック医薬品としてシルデナフィルが販売されている。
知名度が高く、錠剤タイプやODフィルムタイプがあり便利。 - レビトラ(バルデナフィル)
- 先発薬のレビトラは現在は販売されていないが、ジェネリック医薬品のバルデナフィルは販売されている。
即効性が高く、食事の影響を受けにくいのもメリット。 - シアリス
- ジェネリック医薬品としてタダラフィルが販売されている。
効果の持続時間が最長36時間で、比較的副作用も弱い。
ED治療薬の効果とは?硬さを比較
ED治療薬にはそれぞれ特徴があり、効き目が長いシアリスや効果を感じるのが早いレビトラ、そしてメジャーなED治療薬で知られるバイアグラがあります。
これらのED治療薬の特徴について、下記の表にまとめました。
バイアグラ (シルデナフィル) | レビトラ (バルデナフィル) ※先発薬は現在販売中止 | シアリス (タダラフィル) | |
硬さ | 強い | 最も強い | マイルド |
効果持続時間 | 約4~5時間 | 約5~10時間 | 約20~36時間 |
このように、ED治療薬にはそれぞれの特性や強みがあります。
例えば、シアリスは効き目が最長36時間と長いため、泊りがけのデートにおすすめです。
また、より硬く勃起ができるレビトラは、他のED治療薬よりも即効性が高いため、急な性行為にも備えられます。
そして、持ち運びに便利なバイアグラは用途に合わせてODフィルムタイプと錠剤タイプで選べるので、汎用性が高いでしょう。
それぞれの効果を以下で詳しく解説します。
バイアグラ(シルデナフィル)
バイアグラ(シルデナフィル)の特性について解説します。
硬さ | 強い |
効果が現れるまでの時間 | 約30分~1時間 |
効果持続時間 | 約4~5時間 |
おすすめな人 | 知名度、実績のあるED治療薬を選びたい人 |
バイアグラはED治療薬の中でも有名ですが、知名度だけではなく実績も積んでいる為、過去の症例を基に症状に適した処方が期待できます。
バイアグラは25mg、50mgの2種類が販売されていて、錠剤タイプやODフィルムタイプもあります。
そのため、硬さや即効性、持続時間のバランスが良いだけではなく、持ち運びにも便利で汎用性が高いのが魅力です。
レビトラ(バルデナフィル)
レビトラ(バルデナフィル)について解説します。
硬さ | 最も強い |
効果が現れるまでの時間 | 約20分~1時間 |
効果持続時間 | 約5~10時間 |
おすすめな人 | 食事に気を使いたくない人、行為の直前に服用したい人 |
新薬(先発薬)のレビトラは販売されていないため、現在購入できるのはジェネリック医薬品(後発医薬品)のバルデナフィルです。
このバルデナフィルは、後発医薬品ですが先発薬であるレビトラと同じ効果が期待されています。
何かのトラブルで販売中止になったの?
このように思うかもしれませんが、販売中止になった理由は生産の目途が立たなくなったからで、薬剤にトラブルがあったわけではありません。
また、バルデナフィルの最大の特徴は、効果を感じるまで時間が早いというポイントです。
個人差はありますが、服用してから最短約20分で効果が出始めるため、急にデートの予定が決まっても対応できます。
さらに、比較的に食事の影響を受けにくいので、ディナーデートでもメニューに気を遣わなくて大丈夫です。
ただし、脂質が多すぎる食事を摂ったり、グレープフルーツを食べたりすると効果が下がる可能性があるでしょう。
シアリス(タダラフィル)
シアリス(タダラフィル)の効果について解説します。
硬さ | マイルド |
効果が現れるまでの時間 | 約1~3時間 |
効果持続時間 | 約20~36時間 |
おすすめな人 | 一晩に数回行為をする人、外泊が多い人 |
シアリスのメリットは、約20時間~36時間という持続時間の長さです。
例えば、一泊のデートで休憩を取りながら数回性行為をする場合は、持続時間が短いED治療薬だと、タイミングによっては効果が薄れてしまいます。
しかし、持続時間が長いシアリスなら、そういったデメリットも感じにくいでしょう。
また、他のED治療薬は服用してから約1時間前後で一番効果が強くなるのですが、シアリスは服用して約3時間前後までピークの状態でいられるため、長期戦に向いています。
シアリスも、食事の影響が出にくいED治療薬のため利便性が高いです。
しかし、満腹時の服用すると効果が薄くなってしまったというデータもあります。
そのため、服用するなら空腹時に飲むのが良いでしょう。
ED治療薬の副作用について
この項目では、ED治療薬の副作用についてまとめます。
ED治療薬にはそれぞれ特徴があり、服用するうえで副作用を理解しておくことも大切です。
しかし、副作用には個人差があるので、詳細は医師に確認したほうが良いでしょう。
一般的な副作用
国内で販売されているED治療薬には、「バイアグラ(シルデナフィル)」、「レビトラ(バルデナフィル)」、「シアリス(タダラフィル)」の3種類があり、共通している副作用は下記のとおりです。
- ほてり
- 頭痛
- 消化不良
- 鼻づまり
- 腹痛
- 視覚症状(物が青みがかって見える、充血など)
特に、シアリスは他のED治療薬に比べると、上記の副作用は出にくいのですが、背部痛・筋痛・四肢痛といったシアリス特有の副作用が過去に報告されています。
また、重篤な副作用としては完全に関係性は示せないものの、心筋梗塞や低血圧などの症状が過去にありました。
【副作用が出やすさ】バイアグラ>レビトラ>シアリス
ED治療薬では、比較的に副作用の出やすい順にバイアグラ、レビトラ(バルデナフィル)、シアリスとなっています。
【ED治療薬・副作用が出やすいランキング】
- バイアグラ:顔のほてり、頭痛、目の充血
- レビトラ(バルデナフィル):鼻づまり、頭痛、動悸、ほてり、目の充血
- シアリス:頭痛、ほてり、動悸、背部痛、消化不良、筋痛、四肢痛
上記は目安で、副作用には個人差があるため一概には言えません。
例えば、シアリスは徐々に体へ吸収されるので、比較的に副作用が出にくいと言われています。
しかし、稀に発疹や蕁麻疹などの重大な副作用が報告されているため、副作用が出やすい出にくいに関わらず、異変を感じたら医師に相談することが大切です。
ED治療薬の用量による効果の違い
ED治療薬は服用する用量が多いほど、効果が強く長くなる場合があります。
しかし、用量を増やした分だけ確実に効果が期待できるわけではありません。
また、服用してから効果が出るまでの時間や、効き目のピーク時間には変わりはなく、どの用量を服用しても同じです。
用量が多いと効果が強くなる傾向がある
ED治療薬は用量が多いと、効果が強くなる傾向があります。
【バイアグラ・用量ごとの効果の目安】
持続時間 | 勃起時の硬さ | ピーク | 副作用 | |
バイアグラ25㎎ | 約3~5時間 | 弱い | 服用から1~2時間後 | やや強い |
バイアグラ50㎎ | 上記よりも延びる可能性有 | 普通 | 服用から1~2時間後 | 25㎎よりも強い可能性有 |
バイアグラは用量が25㎎から50㎎へ増えると、勃起時の硬さが強くなることがあります。
それ以外の持続時間や効果のピーク時間、副作用も用量が多いほど効果が強く長くなる傾向がありますが、個人差があるため一概には言えません。
【レビトラ・用量ごとの効果の目安】
持続時間 | 勃起時の硬さ | ピーク | 副作用 | |
レビトラ5㎎ | 約5時間~6時間 | とても強い | 約45分後 | やや強い |
レビトラ10㎎ | 5㎎よりも長い可能性有 | 5㎎よりも強い可能性有 | 約45分後 | 5㎎よりも強い可能性有 |
レビトラ20㎎ | 10㎎よりも長い可能性有 | 10㎎よりも強い可能性有 | 約45分後 | 10㎎よりも強い可能性有 |
レビトラ(バルデナフィル)の用量ごとの効果の目安は大体同じですが、やはり用量が多いほど効果が強く出たり、持続時間が長くなったりする可能性があります。
また、10㎎と20㎎では血中濃度に変化があり、20㎎の方がより体内に吸収されていたというデータもあります。
【シアリス・用量ごとの効果の目安】
持続時間 | 勃起時の硬さ | ピーク | 副作用 | |
シアリス5㎎ | 約20時間~36時間 | 優しい | 約3時間後 | 現れにくい |
シアリス10㎎ | 5㎎よりも長い可能性有 | 5㎎よりも硬い可能性有 | 約3時間後 | 現れにくいが 5㎎より強い可能性有 |
シアリス20㎎ | 10㎎よりも長い可能性有 | 10㎎よりも硬い可能性有 | 約3時間後 | 現れにくいが 10㎎より強い可能性有 |
シアリスも基本的な効果は用量に左右されませんが、用量が増えるほど効果が強く出たり、長く出たりする傾向があります。
また、シアリスでは5㎎よりも10㎎、10㎎よりも20㎎の方が挿入成功率が高いというデータもあるため、用量と性行為の満足度の関係性は否定できません。
効果のピーク時間に差はない
ED治療薬は用量が増えても効果のピーク時間には変動がありません。
ただし、用量を増やすことで効果を感じやすくなり性行為に満足できたというケースもあるため、メリットもあると考えられます。
しかし、個人差があるので、用量が少ない処方で効果が実感できない時は、医師に相談して用量の調節を行うのがよいでしょう。
ED治療薬の用量による副作用の違い
ED治療薬は、用量が増えるほど副作用が強く発現する可能性があります。
副作用を理解することで、より安心して治療を進めることができるでしょう。
しかし、副作用には個人差があるため、あくまでも目安にしてください。
用量が多いほど副作用が強まる
ED治療薬は、用量が増えるほど副作用が強くなる傾向があります。
副作用とは、ED治療薬が陰茎海綿体(勃起の役割を持つ組織)以外への作用が出ることで起こる反応です。
服用量が増えると、その分陰茎海綿体以外への影響が起こる可能性が高くなるため、用量が多いほど副作用が強まると懸念されています。
しかし、副作用には個人差があるので、一概には言えないでしょう。
最初は低用量からのスタートがおすすめ
ED治療薬で治療を始める場合は、医師の処方を受けたうえで低用量から始めていくことをおすすめします。
いきなり強力な効果を求めて、高用量の薬を飲むと副作用が強く出すぎてしまう危険性があります。
そのため、まずは低用量から始めて、効果が感じられないようだったら医師の指示の下、調整していくのが良いでしょう。
また、効果が強く出て硬くなりすぎると、なかなかスムーズに射精ができなくなる場合もあります。
用量を増やすことが、充実した性行為に繋がるとは限りません。
ED治療薬効果副作用のよくある質問・Q&A
- バイアグラの重大な副作用はありますか?
-
バイアグラの重大な副作用には、急激な血圧の低下や視覚異常(「網膜色素変性症」や「非動脈炎性前部虚血性視神経症」など)があります。
他にも現れやすい副作用はこちらです。
- ほてり
- 頭痛
- 消化不良
- 腹痛
また、副作用のリスクを抑えるために低用量での処方をするケースもあります。
副作用への不安がある場合は、医師に相談してみましょう。
- シアリスは感度が落ちる効果があるというのは本当ですか?
-
シアリスには早漏を改善する可能性もありますが、服用することで感度が落ちるという根拠はありません。
ただし、硬く勃起しすぎると、程よい勃起状態の時よりは感度が下がる場合がります。
【早漏は主に2種類ある】
- 遺伝的要因での早漏
- このケースの早漏は、脳の神経の働きによって、陰茎の刺激に過敏に反応することで起こります。
そのため、シアリスを飲んでも早漏を改善する効果は期待できません。 - 心因性の早漏
- 過去に性行為でトラブルがあり、そのトラウマから射精をコントロールすることができず、早漏になってしまうケースがあります。
この場合は、シアリスを飲むことが自信に繋がるため、早漏を改善することができるでしょう。
このように、シアリスで早漏が改善されるのは心理的アプローチに繋がるからであって、感度が落ちるからということではありません。
- レビトラ(先発薬)が販売中止になった理由は何ですか?
-
レビトラ(先発薬)が販売中止になった理由は、工場での生産が困難になったからです。
レビトラを製造していたバイエル薬品より、下記のお知らせがありました。
弊社の勃起不全治療剤「レビトラ®錠5mg、10mg、20mg」の供給につきまして長期にわたりご迷惑をおかけしておりますこと、深くお詫び申し上げます。弊社では安定供給に向け検討を続けてまいりましたが、水回以降の生産および入荷のめどが立たないため、このたび誠に勝手ではございますが在庫限りで販売を中止させていただくこととなりました。
レビトラは元々、ドイツの工場で製造されていましたが、安定して製造することが困難になってしまったため、2021年10月に販売中止になりました。
薬剤事態にトラブルがあったわけではないので、その点についてはご安心ください。
現在はバルデナフィルというレビトラのジェネリック医薬品が販売されており、このバルデナフィルはレビトラと同等の効果が得られるため、治療に影響はないでしょう。
まとめ
本記事では、ED治療薬の効果の比較、用量による違いについて解説しました。
ED治療薬にはそれぞれの特性があるため、悩んでいる症状に適した薬を服用するのが大切です。
また、ED治療薬は用量が増えるほど効果や持続時間が増大される傾向がありますが、個人差があるため絶対とは言えません。
そして、用量を増やすことにはメリットだけではなく、副作用も強くなる可能性があるというデメリットもあるので注意が必要でしょう。
当院でのED(インポテンツ)治療についてはこちらもご覧ください。
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この記事を監修した医師
ライズクリニック錦糸町 治療責任者 佐貫 榮一