肥満はEDになりやすいのか解説します。
肥満はEDと関係あるの?糖尿病も関係している?
結論から言いますと、肥満はEDになりやすいです。
なぜなら、肥満だとEDの原因になる血管障害や神経障害、ホルモンバランスの乱れが起こるリスクが高くなるからです。
そもそも、勃起は脳が神経を通して信号を伝え、陰茎に血液を送ることで起こります。
つまり、血液が適切に陰茎へ行き届かないと、勃起することができないのです。
【肥満になると体に起きること】
- 動脈硬化や、血管内皮機能障害などの血管障害
- 男性ホルモンであるテストステロンが減少して性欲が低下
- 炎症性サイトカインにより神経や血管へダメージ
このように、肥満になると血管や神経ホルモンに悪影響を与え、血行不良や性欲の低下を引き起こすためEDになると考えられています。
本記事では肥満とEDの関係性の他、糖尿病との関わりも詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
結論
陰茎に血液が届きにくくなるため、肥満はEDになりやすいと言われています。
また、血行不良以外にも神経障害や性欲の低下など、様々な影響があります。
これらは、血管や神経が原因で起こる器質性EDや、心理的要因が原因で起こる心因性ED、さらにはこの二つが重なって起きる混合性EDのきっかけになり得るのです。
そのため、異変を感じた場合は、病院やED治療クリニックを受診してみてください。
肥満はEDになりやすい?
勃起は陰茎に血液が送られることで起こるため、血行不良の原因になる肥満はEDになりやすいです。
そもそも、勃起が起こるのには以下のような体の仕組みがあります。
- 性的な刺激や物理的な刺激を受ける
- 脳からの信号を受けて、血管を通って陰茎に血液が送られる
- 血液が行き届くことで、勃起が起こる
このように、勃起には陰茎へ血液が送られることが必要です。
しかし、肥満になると中性脂肪や悪玉コレステロールが増え、動脈硬化のリスクが高まります。
動脈硬化になると血行不良が起こりやすくなるため、刺激を受けても血液が陰茎に行き届かずEDの原因になるのです。
さらに、肥満によってテストステロンが減少し性欲が後退したり、神経や血管にダメージが起きたりなど、様々な影響が起こり得ます。
これらの要因が複雑に絡み合いEDを引き起こしている場合もあるため、異変を感じた場合は、病院やED治療クリニックに相談してみるのが良いでしょう。
肥満がEDを引き起こす主な原因
肥満がEDを引き起こす主な原因は、動脈硬化による血行不良やホルモンの影響、そして神経障害です。
勃起は脳から神経を通って信号を送り、陰茎へ血液を循環させることで起きるため、体に血管障害や神経障害などのトラブルがあるとEDを引き起こしてしまいます。
これらの要因を、3つの項目に分けて詳しく見ていきましょう。
血管障害
肥満がEDを引き起こす要因の一つとして、血管障害があげられます。
例えば性的な刺激を受けた時に、脳から神経を通して信号が送られて陰茎に血液が流れていきます。
この血液が陰茎に行き届くことで、勃起が起こるのです。
しかし、動脈硬化によって血管の通り道が細くなると、血液が陰茎に行き渡らずにEDを引き起こしてしまいます。
また、肥満と動脈硬化にはこのような関係があります。
肥満になると血中で悪玉コレステロールが増え、それを倒すために免疫細胞が戦います。
しかし、あまりにも悪玉コレステロールが多いと免疫細胞が負けてしまい、免疫細胞の死骸(プラーク)が粥状になって血管内に残ります。
このプラークが積み重なることで、血液の通り道が細くなり血管障害が起こるのです。
他にも、肥満の状態が長く続くと、血管の弾力性がなくなり血流の流れが悪くなるのです。
また、陰茎に通っている血管は直径1~2㎜しかないので血行不良になりやすく、動脈硬化の初期症状としてEDが起こることもあります。
チェックポイント
性行為をしなくても朝勃ちの状態で症状の確認ができるので、熟睡していたにも関わらず、固さが足りないようでしたら、病院やED治療クリニックへの受診を検討してもいいかもしれません。
男性ホルモンの低下
肥満だと、男性ホルモンであるテストステロンが低下し性欲が減退します。
- テストステロンの役割
- 男性ホルモンで、勃起などの性機能や集中力向上などの役割があります。
このホルモンが多いので、男性は骨格や筋力がたくましくなるのです。
しかし、肥満になるとホルモンバランスが乱れて、EDや自律神経の不調を起こしてしまいます。
また、実際に以下のデータもあります。
肥満の30歳男性は正常なBMIの男性に比して総テストステロンが有意に低かった。(~中略~)
若年男性において肥満はテストステロン・レベルの低下を原因として勃起機能の悪化をもたらす。(一部抜粋)
このようにテストステロンと肥満には深い繋がりがあるのです。
また、テストステロンが減少すると、代謝も下がるためより脂肪を燃焼しにくくなります。
それにより、また脂肪が増えてテストステロンがさらに減るという悪循環をもたらすのです。
加えて、テストステロンの減少は性機能以外にも、やる気の低下や疲労感などにも影響します。
安定した性生活を送るためには、テストステロンの正常な分泌が必要となるでしょう。
神経障害
肥満が引き起こす神経障害には、下記のものがあげられます。
- 肥満と関係がある糖尿病性神経障害
- 男性ホルモンの減少で起こる自律神経の乱れ
- 炎症性サイトカインによる神経へのダメージ
これらの神経障害は、EDの原因である場合があります。
また、肥満により増加する炎症性サイトカインは、本来体内に入ってきた病原菌を倒す役割を持っていますが、増えすぎると神経や血管を傷つけてしまいます。
糖尿病性神経障害にはED以外にも手足のしびれなどがあるため、不調を感じた場合は病院への受診を検討したほうが良いでしょう。
糖尿病とEDの関係性
結論、糖尿病はEDの原因の一つです。
糖尿病になると、高血糖の状態が続くため動脈硬化のリスクが高くなります。
そして、動脈硬化を起こすと陰茎へ血液が届きにくくなり、結果としてEDを引き起こします。
この項目では、糖尿病とEDの因果関係について詳しく解説します。
糖尿病は高血糖が慢性的に続く病気
糖尿病になると、脂肪細胞から発生する炎症物質の影響でインスリンの働きが弱くなり、高血糖の状態が続きます。
高血糖の状態が続くと動脈硬化だけではなく、心筋梗塞や脳梗塞などの血管関係の疾患のリスクが高くなるのです。
また、糖尿病の原因として肥満があげられますが、それ以外にも遺伝やストレスなどもあります。
そのため、肥満体質でなくても糖尿病になる可能性はあるでしょう。
2016年の国民健康・栄養調査によると、糖尿病とその予備群の合計は約2,000万人。成人の5人に1人が該当します。その数は増え続けていて、もはや国民病という域に達しています。
(一部抜粋)
引用元:糖尿病と高血糖 | 糖尿病サイト
このように、糖尿病は私たちにとって身近な疾患です。
糖尿病を予防するためには、以下のことを心がけるのが良いでしょう。
- 適度に運動をする
- 食べ過ぎない
- ストレスを溜めないようにする
- バランスの良い食事を摂る
- 定期的に健康診断を受ける
また、体に異変を感じた場合は、すぐに専門機関を受診することをおすすめします。
糖尿病はEDとの関連性が高い病気の一つ
糖尿病は、EDとの関連性が高い病気です。
勃起は、脳が刺激を捉えて信号を送り、血液を陰茎に循環させることで起こります。
この時、血管を通って陰茎へ血液が送られるのですが、糖尿病による動脈硬化が起きると血管の通り道が狭くなってしまいます。
その結果、陰茎に血液が行きわたらず、EDを引き起こします。
チェックポイント
陰茎の血管は直径1~2㎜と細い血管のため、動脈硬化になると症状が出やすいです。
EDには動脈硬化や糖尿病が隠れている可能性もあるため、異変を感じたら専門機関を受診することをおすすめします。
また、動脈硬化以外にも、糖尿病になることで起きる免疫低下や心理的ストレスは性生活に影響を与えます。
EDになる背景には、さまざまな要因が隠れている為、自己判断をしないようにすることが大切でしょう。
糖尿病がEDになりやすい理由
糖尿病の患者は、基礎疾患がない成人男性よりもEDになるリスクが高いと言われています。
リスクが高い理由は、糖尿病によって引き起こされる血管障害や神経障害、心理的なストレスなどです。
また、実際に下記のようなデータもあります。
▽糖尿病のある男性の20%から75%が、生涯にわたりある程度のEDを経験している。
▽糖尿病のある男性は、糖尿病のない男性に比べ、EDを発症する割合が2〜3倍高い。
(一部抜粋)
このように、糖尿病はEDの要因になり得るのです。
次の項目で、糖尿病患者がEDになりやすい理由を1つずつ解説します。
血管に起こる動脈硬化
糖尿病による動脈硬化が起きると、血管の通り道が狭くなるため陰茎に血液が巡回しにくくなります。
そのため、陰茎に必要な血液が行き渡らず、EDを引き起こします。
また、糖尿病による動脈硬化には、以下のような流れがあります。
- 糖尿病・高血糖によりインスリンの働きが低下
- 血液中のブドウ糖が増える
- その結果、血液がドロドロになり、血管内部にコレステロールなどが付きやすくなる
- 付着物が付き、血管の通り道が狭くなってしまう
このように、インスリンの働きが弱くなることで、血管内部に付着物がたまり動脈硬化が起きてしまうのです。
また、糖尿病による動脈硬化の治療では、運動療法・食事療法・薬物療法を行います。
医師の指導の下、治療を進めていくことが大切でしょう。
神経障害が起こりやすい
糖尿病になると、「糖尿病性神経障害」という病気を引き起こす可能性があります。
神経に障害が起こると、脳が刺激を受け取れなかったり、脳から陰茎へ信号を送れなかったりするため、EDなることもあるのです。
また、神経には主に3つの種類があり、それらが正常に作動することで私たちの健康は成り立っています。
- 感覚神経:ものに触れた時の感触などを感じる
- 運動神経:体を動かすときに使う
- 自律神経:交感神経や副交感神経のコントロールを行う
これらの神経の動きが阻害されると、性生活だけではなく生活全般に影響を与えます。
また、このように神経が原因で起こるEDを器質性EDといい、治療を進めるためには病院やED治療クリニックへの受診が必要となるでしょう。
心理的な要因
糖尿病になるとストレスを溜めやすくなり、性生活にも影響があると言われています。
糖尿病によっておこる血管障害や神経障害の症状で生活に支障をきたすと、不安や憂鬱感を感じる場合があるでしょう。
【ストレスが与える性行為への影響】
- 自律神経が乱れて、勃起や射精に影響が出る
- ストレスにより睡眠・食事・生活に影響が出て、性行為に集中できなくなる
- EDの経験から、性行為に対してストレスや不安を感じるようになる
このように、慢性的なストレスは性行為にも影響を与えるのです。
また、性行為中は自律神経である副交感神経と交感神経が適宜交代することで、勃起から射精がスムーズにできるのですが、ストレスで神経が乱れているとこの流れが滞ってしまいます。
このような心理的要因からくるEDを心因性EDと言い、自律神経を整える生活習慣やリラックス法などが必要となるでしょう。
肥満・糖尿病によるEDを改善する方法
肥満や糖尿病によるEDを改善するためには、内科か糖尿病内分泌科、ED治療クリニックへの受診をおすすめします。
原因が糖尿病である場合、まずは内科や糖尿病内分泌科へ受診し、症状を相談してみてください。
それに合わせて、病院やED治療クリニックを受診し、既往歴を伝えたうえで今後の治療方針を相談するのが良いでしょう。
生活習慣全般を見直す
肥満や糖尿病が原因のEDで悩んでいる場合、生活習慣全般を見直すことが大切です。
- 早寝早起きをして、朝日をしっかり浴びる
- 外食を控え、食べ過ぎ飲みすぎに気をつける
- PFCバランスの良い食事を心がけ、特に野菜をしっかり食べる
- ストレスを溜めないように気をつける
- 散歩やサイクリングなど、適度な運動を心がける
また、溜め込まないよう趣味やストレスの発散方法を見つけることも、健康的な生活を送るうえで必要です。
そして、生活習慣を見直すことでEDの改善だけではなく、自律神経も整うため、生活の質自体がより良くなるでしょう。
医師の指導の元、ED治療薬を使う
糖尿病が原因のEDを治療する際は、病院やED治療クリニックを受診してED治療薬を使いましょう。
ED治療薬には副作用や他の薬の併用注意・併用禁忌があるため、自己判断をせず医師に既往歴や内服薬を伝えて服用してください。
また、ED治療には頭痛やほてり、動悸などの副作用があります。
服用後に異変を感じた場合は、性行為を一度止めて医師に相談したほうが良いでしょう。
チェックポイント
偽造医薬品の可能性がある、海外医薬品の個人輸入代行や通販は危険です。
ED治療薬を購入する際は病院やED治療クリニックの受診をおすすめします。
その他の治療を検討
EDの原因が糖尿病である場合、内科か糖尿病内分泌科への受診を検討してみてください。
ED治療薬で治療をしながらも、根本的な原因である糖尿病にアプローチしていくことも大切です。
また、糖尿病にはED以外にも以下の症状が出る可能性があります。
- 神経障害による手足のしびれ
- 飲みすぎる、トイレが近い
- 疲れやすい
- 体重減少
これらの症状を放っておくと、心筋梗塞や脳梗塞などの大きな病気につながる可能性もあるため、専門医に相談したうえで治療を進めていくのが良いでしょう。
ED肥満のよくある質問・Q&A
- EDは筋トレで改善されますか?
-
筋トレはEDに効果的だと言われています。
EDになる原因には、陰茎への血行不良があげられますが、筋トレをすることで血の巡りが良くなります。
筋トレには以下のような効果が見込まれます。
- 血液の循環を促す
- 骨格筋量が増えることで、男性ホルモンのテストステロンが増加
- 体力がついて、疲れにくくなる
このように、筋トレにはメリットがたくさんあります。
どの部位を鍛えるか迷った場合は、お尻や大腿四頭筋などの大きい筋肉を鍛えると全身の骨格筋量をアップさせられるためおすすめです。
しかし、EDの原因によっては筋トレだけで改善できない場合も考えられるため、病院やED専門クリニックを受診して、原因を特定しましょう。
- 糖尿病が発症すると必然的にEDになりますか?
-
必然的ではありませんが、糖尿病を発症するとEDになる確率は高くなるでしょう。
高血糖だと神経や血管を傷つけてしまうため、結果的に動脈硬化や神経障害を引き起こす可能性があります。
上記のようになると、勃起する際に陰茎へ適切に血液を運べなくなるため、EDになる場合があるでしょう。
糖尿病の治療中にEDの症状が出た場合は、専門機関へ相談することをおすすめします。
- EDの原因が糖尿病かを見極める方法はありますか?
-
EDの原因が糖尿病か見極めるためには、内科や糖尿病内分泌科、ED治療クリニックを受診して検査をしてください。
糖尿病は放置すると、さまざまな合併症を引き起こす可能性があります。
また、EDも原因を把握したうえで適切な治療を行うことが大切です。
そのため、不安な症状がある場合は専門機関に相談することをおすすめします。
まとめ
本記事ではEDと肥満の関係性について解説しました。
肥満になると血管や神経、ホルモンバランスに影響を与えるため、EDになってしまうこともあり得ます。
日ごろから健康的な食生活を心がけたり、運動習慣を取り入れたりすることもおすすめです。
また、EDの原因は一つだけではなく、複数の要因が重なっている場合もあるため、気になる症状がある方は病院やED治療クリニックへの受診を考えてみましょう。
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この記事を監修した医師
ライズクリニック錦糸町 治療責任者 佐貫 榮一